マレーシア、バツーケーブで行われたタイプーサム2015の様子を写真で紹介

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2015年のタイプーサムは2月3日に開催されました。
タイプーサムとはヒンズー教のお祭りで、ヒンズー教徒たちが神々への感謝を表すために
様々な苦行を行います。
あまりに危険なので、インドでは禁止されており、今ではマレーシアとシンガポールでのみ行われています。

当日、クアラルンプール市内のホテルから電車でヒンズー教の聖地、バツーケーブに向かいました。
KLセントラルでバツーケーブ行きの電車に乗り込むと、車内は多くのインド人らしき人々で満員でした。
朝9時ごろにバツーケーブ駅に到着しましたが、既にバツーケーブ周辺には歩くのも困難なほど
たくさんの人々が集まっていました。

マレーシア バツーケーブ タイプーサム2015

駅を出たところでこんな光景を目にしました。
聖地バツーケーブを訪れる前に剃髪して身を清めます。

マレーシア タイプーサム2015 ヒンズー教の修行者

最初に見た苦行を行うヒンズー教徒です。
クアルンプール市内にある、スリマハマリアマン寺院から徒歩でバツーケーブへ向かいます。



鉄の串は確かに口元に突き刺さっています。



背中にはお供え物のミルクを入れた小さな壺が鉤針で背中からぶる下がっています。
この状態で20km近い道のりを歩いてきたと思うと驚きです。



別の一団がやってきました。



道の途中で装束を整えます。
しかし、この信者の顔、すごい迫力です。
トランス状態に入ったような感じで、ときどきうめき声をあげていました。



ときどきストップして踊りを披露する信者もいます。
鳴り物を持った人たちもいて、まさにお祭り騒ぎです。



この幸せそうな表情が印象的です。



カヴァディという一人用神輿のようなものを担いでいる人もいます。
ヒンズー教で聖なる鳥とされるクジャクの羽根が飾られています。
かなり重そうです。



真っ白な口髭と赤いバンダナが印象的です。



そして、この背中がすごい!



頭にミルク壺を載せた女性たち。



美しく着飾ったインド系の女性達。



神秘的な雰囲気の女性。



人の波をかき分けて、なんとか洞窟に繋がる272段の階段が見えるところまで
やってきました。
階段の前に立つのは、巨大なムルガン神像です。



階段も人で埋め尽くされています。



階段を上り始めました。
どんどんカヴァディーをかついだ信者があがって行きます。



階段の上から下を見ると、まさに人の海です。



やっと階段を上り切りました。
中には、ほとんど力尽きかけてフラフラの信者もいます。



階段を登りきったところで休憩する男性。
ここまできて、安堵の表情です。



いろいろな装束の信者を見ましたが、個人的にはこの人が一番気になりました。
赤い布で体を覆い、マスクも真っ赤で顔が見えません。
大きなミルク壺を2つ、天秤棒のようなもので担いでいます。



キラキラの人形のようなものを頭に載せている人もよく見かけました。



洞窟前には救急隊が待機しています。



洞窟内も人で埋め尽くされています。



お堂にミルクを奉納する信者たちの行列ができていました。



こちらが洞窟内にあるヒンズー教のお堂です。



お参りを終えて舌に刺さった串を抜く信者。



洞窟内では、お参りを終えてほっとした表情を見せる信者。
中には、気力尽きてばったりと倒れてしまう信者もいます。



お堂で人々に祝福をあたえている僧侶。



手前の男が奥の男の両耳のあたりを抑え、気合いを入れると奥の男は
両腕を振り上げ大声で呻き始めました。
手前の男が手を外すと、奥の男は一瞬うつろな表情になり、普通の状態に戻りました。
不思議な光景でした。

30枚の写真を使ってタイプーサムの様子をお伝えしてまいりましたが、いかがだったでしょうか。
当日の熱気と独特の雰囲気が少しでも伝わったでしょうか?

苦行を行う信者たちは、串を指しても血が出ず、バツーケーブに参るまでは
疲れも感じないと言います。
そして、お参りが終わりカヴァディーを卸すと一気に疲れを感じるそうです。
中にはふらふらの状態で到着する人もいましたが、確かにほとんど疲れた様子もなく
カヴァディーを担いで、階段を上る人も多数見かけました。

私も、かなり重たい大型のカメラを2台首から下げて撮影にあたりましが、
普段とは違って首の凝りも感じず、炎天下に272段の階段を上っても
あまり疲れを感じませんでした。
異邦人である私にも、ヒンズー教の神が下りてきたのでしょうか?
ホテルに帰って荷物を卸すと、一気に疲れが襲ってきて寝込んでしまいました。
しかし、翌日以降に疲れは残らず、むしろ体がシャキッとした感じで、
まさにパワーをもらいました。

タイプーサムは熱気と興奮に満ちた素晴らしいお祭りでした。

長々とご覧いただき、ありがとうございました。
タイプーサムは毎年1月下旬から2月上旬ごろに行われます。
機会があれば、是非一度行ってみてください。

トラベルガイド株式会社代表
阿部吾郎






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